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今だから考えさせられる「免田事件」そして「ハノイの微笑み」

かつてTBS系で最も好きだった「報道特集」に携わった田中氏が、ガセネタ溢れる日本というタイトルで、小沢氏秘書逮捕でのマスメディアに対する姿勢に対し苦言をされています。
実際に報道に携わった方ならではの文面にただただ感嘆するのでが、特に印象惹かれたのはこの文面です。

民主主義を「最悪の政治体制」と言ったのはチャーチルである。なぜなら国民は判断を間違えることが多いから。しかしチャーチルは「それでも他の政治体制よりはましだ」と言った。国民が自分で判断を間違えて苦しむのは自業自得だが、独裁者や官僚の判断の間違いで苦しまされてはたまらない。だから民主主義の方が「まだまし」なのである。従って民主主義にとって最も重要な事は、国民の判断を左右する「情報」である。

これを見て真っ先に思い浮かぶのは「免田栄事件」そしてTBSになじみのある田英夫氏の「ハノイの微笑み」です。
前者については冤罪で逮捕された免田栄氏が、警察・検察双方の拷問じみた取り調べによる自供により一時は死刑判決を受け34年の獄中生活を強いられるも、最後は無罪判決を勝ち取るに至った事件です。
最終的に免田氏は晴れて自由の身となり一見ハッピーエンドに見えるのですが、その一方で当時ある落語家が無罪判決に疑問を呈す騒動や、逮捕から死刑判決での間に警察・検察の情報を鵜呑みにしたマスメディアの偏向的報道に終始した報道の結果、地域社会に根強い不信・偏見が根付き、無罪判決後は遠地での生活を余儀なくされ、結果的に人生そのものを破壊された免田氏の無念さを見ると後味の悪い話ばかりが目立ちます。

そして後者については、ベトナム戦争により南北ベトナムが混沌の極みにあった当時、当時の北ベトナム・ハノイを報道した田英夫氏の報道に対する一連の騒動の事です。
当時の日本は日米安保体制でのアメリカに対する配慮もあり、南側に対し好意的でした。そんな中、西側マスメディアとしてベトナム戦争報道を行った田英夫氏は「ハノイの微笑の上にはアメリカも爆弾を落すことは出来ない」とする北側に好意的な報道を行い、これに激怒した当時の自民党政権が表向きは「真実を報道しなかった」とする放送法違反を建前に、TBSに対する圧力を行いました。
政権側の怒りは相当だったようで、話はTBSの放送権剥奪さえ匂わすまでエスカレートしました。これに対しTBS側も強く抵抗をしましたが、諸事情により最終的には田氏が報道の表舞台から消える事で幕引きとなりました。
後のベトナム戦争の末路を考えるに、正に「真実は世界を激怒させる」といったケースでしょうが、当時の田氏には与党側である自民党の議員からもその姿勢を評価する声があったと聞きます。

もしも、今日においてこの二つの事件があった場合、世間はどういった反応をするでしょうか。
恐らく報道、ネット界隈において免田・田氏的な立場の人達に対し、かなり一方的かつ侮辱的な中傷・批判が横行し、間違い無く社会的抹殺を求める意見が様々な形で満ちるでしょう。
そして、そんな熱病的排斥に対し少しでも疑問や批判をするようなら、やれKYや空気嫁といった声であっという間に埋め尽くされるでしょう。
当時、お二人に対する批判中傷は相当なものだったと聞いてますが、ITによる情報入手の容易さや匿名掲示板にいる情報に飢えた人間を容易く扇動しやすい状況にある今日の方が、身体的な面はもちろん特に社会的抹殺を意図した行為が起こりやすいと危惧します。
だからこそ、マスメディアはもちろんブロガーも含め情報を扱うものは常に慎重と細心さを持つべきなのです
もしそれが社会から失われた時、言われ無き罪を背負った免田氏のような人や田氏のように勇気を持って真実を世に伝えんとした人が、社会的・身体的にも文字通り殺される事態を招く点を忘れるべきでは無いのです。
情報は幸福や豊かさをもたらす利器でもありますが、時に他者はもちろん自身を滅ぼす凶器と化す二面性を常に意識すべきと思う次第です

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